スキーウェアは正しく洗濯・お手入れすることで、撥水性・防水性・保温性を長期間維持できます。逆に誤った方法で洗うと、機能が一気に低下してしまいます。この記事では、洗濯前の確認から洗い方・乾かし方・日頃のケアまで、ウェアを長持ちさせるための方法を順番に解説します。
スキーウェアを洗う重要性
「見た目が汚れていないから洗わなくていい」と思いがちですが、スキーウェアは目に見えない汚れが蓄積しています。適切なタイミングで洗うことがウェアの機能と寿命を守ります。
汚れや濡れの影響
汗・土・雪が付着するとカビや撥水性低下の原因
スキー・スノーボード中のウェアには、複数の汚れが付着しています。これらを放置するとウェアの機能が徐々に失われていきます。
- 汗:スキーは激しい運動のため、インナーを通して大量の汗が浸透する。放置すると雑菌が繁殖してにおいやカビの原因になる
- 雪・水分:濡れたまま保管するとカビが発生しやすくなる。撥水加工のコーティングも劣化が進む
- 皮脂・日焼け止め:目に見えないが毎回付着している。蓄積すると生地が硬くなり、撥水性が低下する
- 土・砂:転倒時や移動時に付着。繊維に入り込むと生地の劣化を早める
特に撥水性の低下は実害が大きく、撥水機能が落ちると雪がウェア表面に染み込みやすくなり、中の保温材や透湿素材が濡れて機能しなくなります。
洗濯のタイミング
使用後に毎回チェック、シーズンに1回は洗濯推奨
スキーウェアの洗濯頻度の基準は2つあります。
| タイミング | 対応内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 使用後(毎回) | 汚れのチェック・陰干し・部分ケア | 濡れや汚れを早期に取り除く |
| シーズン中(激しく使用した場合) | 丸洗い | 汗や皮脂の蓄積を防ぐ |
| シーズン終了後(必須) | 丸洗い→完全乾燥→保管 | 来季まで清潔に保管するため |
最低でもシーズン終了後に1回は丸洗いすることを習慣にしてください。汚れを残したまま保管すると、次のシーズン開始時にカビや変色が起きているケースがあります。
洗濯前に確認すべきポイント
スキーウェアは通常の衣類と構造が異なります。洗濯前の確認を怠ると、生地の損傷・撥水機能の消失・色落ちにつながることがあります。必ず2つの事前確認を行ってください。
洗濯前の確認ポイントについては、デサントのスキーウェアお手入れガイドでも詳しく解説されています。
洗濯表示の確認
水洗い可否、洗濯機・手洗いの表示
洗濯表示はウェアの内側(首元や腰部分)のタグに記載されています。洗濯表示はメーカーが保証する最低限のケア方法であるため、必ず確認してから洗ってください。
- 水洗い可マーク(桶のマーク):自宅での洗濯が可能。桶に数字が記載されている場合はその温度以下で洗う
- 手洗いマーク(桶に手のマーク):洗濯機不可。手洗いのみ対応
- 水洗い不可マーク(桶に×):自宅での洗濯は不可。クリーニング専門店へ依頼する
- 乾燥機マーク:多くのスキーウェアは乾燥機不可またはタンブル乾燥不可。確認を怠ると生地が縮む・撥水加工が剥がれる原因になる
注意:洗濯表示に「クリーニング記号のみ」の場合は、自宅洗濯を無理に行わず専門のクリーニング店に依頼してください。高機能素材(ゴアテックスなど)のウェアは特に確認が重要です。
色落ちチェック
目立たない部分で少量の洗剤テスト
鮮やかな色や濃い色のスキーウェアは、初めて洗う前に色落ちのテストを行うことを推奨します。
色落ちテストの手順
手順1 白い布または白いティッシュペーパーを用意する。
手順2 薄めた洗剤液を目立たない部分(裏側・縫い目付近)に少量つける。
手順3 白い布で軽く押さえて色がうつるか確認する。
手順4 色うつりがある場合は単独で洗うか、クリーニング店に相談する。
- 色落ちがある場合は他のウェアと一緒に洗わない
- 初回洗濯時は単独で洗うと安全
自宅での洗濯方法
洗濯表示で自宅洗濯が可能なことを確認したら、正しい手順で洗濯します。スキーウェアは「優しく・低温で・中性洗剤で」が基本原則です。
自宅でのウェアの洗濯方法については、アクアハズのスノーボードウェア洗濯ガイドでも詳しく紹介されています。
洗濯機で洗う場合
洗濯ネット使用
洗濯機を使う場合は、ウェアへのダメージを最小限にするための準備が必要です。
手順1 洗濯前の準備
- 全てのポケットを空にする
- ファスナー(ジッパー)はすべて閉める。開いたまま洗うと他の部分に引っかかって生地が傷む
- 面ファスナー(マジックテープ)はすべて閉じる
- 大きめの洗濯ネットにたたんで入れる
手順2 洗濯機の設定
- コース:手洗いコース・ドライコース・デリケートコースなど弱水流のモードを選ぶ
- 水温:30℃以下の低温。高温はコーティングや縫製を痛める
- 脱水:短時間(30秒〜1分程度)にとどめる。長時間の脱水は形崩れの原因になる
中性洗剤で優しく洗う
スキーウェアには中性洗剤を使うことが基本です。一般的な蛍光増白剤入りの洗濯洗剤や漂白剤は使用しないでください。
- 推奨する洗剤:中性洗剤(おしゃれ着洗い用)または機能性ウェア専用洗剤
- 使用を避けるもの:蛍光増白剤入り洗剤・塩素系漂白剤・柔軟剤(撥水加工を妨げる)
- 洗剤の量:規定量の半量程度から始める。多すぎるとすすぎ残しが起きやすい
注意:柔軟剤はウェア表面の撥水加工を破壊します。スキーウェアには絶対に使用しないでください。
手洗いする場合
押し洗いで優しく
手洗い表示のウェアや、より丁寧にケアしたい場合は手洗いを選択します。
手順1 洗面台またはバスタブに30℃以下のぬるま湯を張る。
手順2 中性洗剤を適量(規定量の半量程度)溶かす。
手順3 ウェアを入れて手でやさしく押し洗いする。こすったりもんだりしない。
手順4 汚れが気になる部分(袖口・えり・裾)は軽く押して重点的に洗う。
洗剤のすすぎ残しに注意
手洗い後のすすぎが不十分だと、残った洗剤が生地の機能を低下させます。
- すすぎの回数:最低2〜3回。水が濁らなくなるまで繰り返す
- すすぎ水の温度:洗い時と同じ30℃以下
- 脱水:タオルにはさんで軽く押さえて水気を取る。絞らない。絞ると生地と縫製が傷む
洗濯後の乾かし方と保護
洗濯後の乾かし方を間違えると、せっかくきれいに洗っても機能が低下します。「自然乾燥+撥水スプレー」の2ステップが、機能を維持しながら乾かす基本の流れです。
洗濯後のウェアの乾かし方については、アルペングループのアウトドアウェアお手入れガイドでも参考になります。
自然乾燥
風通しの良い場所で乾かす
スキーウェアは必ず陰干し・自然乾燥が基本です。直射日光や乾燥機の高温は生地や撥水コーティングにダメージを与えます。
- 干し場所:風通しの良い室内または日陰の屋外。直射日光は避ける
- 干し方:ハンガーに吊るして形を整えてから干す。重なった部分はめくって空気が通るようにする
- ファスナー:乾燥中は開けておくと内部まで乾きやすい
- 乾燥時間:厚手のウェアは完全に乾くまで24〜48時間かかる場合がある。生乾きで保管するとカビの原因になる
- 乾燥機の使用:洗濯表示に乾燥機可の記載がある場合のみ低温設定で使用可能。記載がない場合は使用しない
注意:生乾きのまま保管袋やクローゼットにしまうと、カビが発生します。手で触れて少しでも湿り気を感じる場合は、さらに乾燥時間を取ってください。
撥水スプレーで保護
乾燥後に表面をコーティングして撥水性維持
洗濯後は撥水加工が若干落ちています。乾燥が完了したら撥水スプレーをかけることで、機能を回復・強化できます。
撥水スプレーの使い方手順
手順1 ウェアが完全に乾いていることを確認する
湿った状態でスプレーしてもコーティングが均一につきません。
手順2 風通しの良い場所でスプレーする
ウェア全体から20〜30cm離した距離から均一にスプレーします。
手順3 ムラなく全体にかける
一か所に集中してかけるとムラになります。さっと動かしながら表面全体をカバーします。
手順4 乾燥させて定着させる
スプレー後は自然乾燥で5〜10分置いてからウェアに熱を加えると定着効果が高まります。ドライヤーの弱温風または低温の乾燥機(使用可能な場合のみ)が有効です。
- スプレーの選び方:スキーウェア・アウトドアウェア対応と明記されたフッ素系撥水スプレーを選ぶ
- 頻度:シーズン中は数回使用するたびに1回の撥水スプレーが目安
- 注意:撥水スプレーは換気の悪い場所では使用しない
スキーウェアをはじめとするアウトドアギアのお手入れ情報はizawa130.netでも発信しています。ぜひあわせてご確認ください。
日頃からのウェアお手入れ
スキーウェアは使用のたびに洗濯するのが理想的ではありません。日頃の小さなケアを積み重ねることで、丸洗いの頻度を減らしながらウェアの機能と寿命を維持できます。
日頃のウェアケアについては、Lideaのウェアお手入れ実践ガイドでも詳しく紹介されています。
汚れを落とす習慣
使用後に毎回、簡単なケアを行う習慣を持つことがウェア寿命を延ばす最も効果的な方法です。
- 使用後のブラッシング:柔らかいブラシで表面の雪・土・ほこりを払い落とす
- 部分汚れの処置:泥汚れや食べ物の汚れは乾く前に水で湿らせた布で軽く拭き取る。こすらず押さえて吸い取る
- インナーの汚れ管理:吸汗性の高いインナーを着ることで、ウェア本体への汗の浸透を減らせる
乾燥・撥水スプレーで寿命を延ばす
スキー場から帰宅したら毎回行うべきケアの流れを習慣にすることが、ウェアの機能維持に直結します。
- 使用後は必ずハンガーに掛けて陰干し:濡れたまま袋やバッグに入れるのは厳禁
- 完全に乾いたことを確認してから収納:縫い目や内側まで乾いているか手で触れて確認する
- 撥水スプレーの定期使用:数回の使用ごとに撥水スプレーをかけて機能を補強する
ウェアの長持ちポイントまとめ
スキーウェアを長持ちさせるための習慣を整理します。
- ✅ 使用後はブラッシングしてからハンガーに掛けて陰干し
- ✅ 洗濯は中性洗剤・低温・優しく洗う
- ✅ 柔軟剤・漂白剤は使用しない
- ✅ 乾燥は自然乾燥(陰干し)が基本。直射日光・乾燥機は原則避ける
- ✅ 乾燥後に撥水スプレーで機能を補強する
- ✅ シーズン終了後に丸洗いして完全乾燥させてから保管する
- ✅ 保管は通気性のある袋・クローゼットで直射日光が当たらない場所に
まとめ:正しい洗濯とお手入れで長持ちさせる

洗濯前の確認・洗い方・乾かし方のポイント
この記事でお伝えしたスキーウェアのお手入れの要点を整理します。
- 洗う理由:汗・皮脂・雪の付着をそのままにすると撥水性低下・カビ・においの原因になる
- 洗濯前の確認:洗濯表示のチェックと色落ちテストを必ず行う
- 洗濯方法:中性洗剤・低温・手洗いコースまたは手洗い。柔軟剤・漂白剤は使用しない
- 乾かし方:陰干し・自然乾燥が基本。直射日光と乾燥機は避ける
- 仕上げ:完全乾燥後に撥水スプレーで機能を回復させる
日頃のケアでウェアの機能性を維持
スキーウェアは適切なケアを続けることで、購入時の撥水性・防水性・保温性を数シーズンにわたって維持することができます。
高機能なウェアほど正しいケアの効果が大きくなります。シーズン終了後の丸洗いと撥水スプレーを毎年の習慣にするだけで、ウェアの寿命は大きく変わります。来シーズンも快適に滑れる状態でウェアを迎えるために、今日からケアを始めてみてください。

