カヌーで登校してたら、命の恩人になった。

 

カヌーで登校してきました!!

 

 

って友達から言われたら、あなたはどんな反応をしますか?

 

その反応を先生で試してみたい。そんなバカ三人のお話です。

 

前回の記事:前代未聞の手段で学校に行ってみた。

 

2015年、秋ころのはなし

 

僕が通っていた都立深川高校に

 

「カヌーでの登校は禁じる」

 

とは、生徒手帳に書かれていない。

 

友達のもりお君から「やってみね?」と言われたので。

 

「いいよ」と、返事をした。

 

でも前と同じだとつまんないよね。ということになったので、今回は「1人、泳ぐ奴を追加しよう」ということになった。

 

泳ぐ人か〜、だれか荒川泳いでくれる人いるかな。

 

考えていると、1人の名前が浮かび上がった。水泳部の部長、岩見君だ。

*このメンバーである。

 

その話を岩見君にすると。

 

「嫌だよ」

 

と、断られてしまった。

 

まぁそれはそうだ。

でもここで引き下がるわけにはいかないので、もりお君と2人で必死の説得。

 

なんとか荒川を泳いでくれることになった。

(荒川を泳いでくれるだけでもすごいのに、時期は10月。寒い。よく泳いでくれた。)

今回の目的は「カヌーで登校してきました!」

 

それは、「カヌーで登校してきました!」と、笑顔で言うこと。

 

 

深川高校では、8時10分になると生活指導の先生が校門に立ち始める。そこにピンポイントで時間を合われれば成功だ。

 

いざ、実行

 

今回は、

  • カヌー1人→もりお
  • 泳ぎ1人→岩見
  • チャリ1人→

 

それをローテーションで回していこう。ということになった。

 

準備

 

で、スタート!

 

着水。

 

開始地点から、次に見える橋を合流地点としてそれぞれが進んでいった。
泳ぐ岩見君は、カヌーの後ろに捕まってバタ足で進む。

本当に寒そうだった。

 

 

僕はチャリで一足先に合流地点の橋まで先に行こうと思い、進んでいた。

 

心の中で「やっと次、カヌーに乗れるぜ!楽しみだな〜」と期待していた。

震えるじいちゃん

 

橋についたので、少し座って休んでよう。そう思って橋の下まで行った。

 

すると、ずぶ濡れの80歳くらいのじいちゃんが震えながら座っていた

 

 

 

「ん?!?!??!!」

 

 

頭の中はパニックになり、

「どうしたんですか!?」

 

と、声をかける。

 

じいちゃん「……。」

 

何も答えない。

 

僕「橋の上から飛び降りたんですか?!」

 

じいちゃん「コクッ」っと頭を縦にふる。

 

僕「自殺しようとしたんですか?!」

 

じいちゃん「……。」また無言になる。

 

とりあえず救急車に速攻電話!

 

救急車と警察が来てもらえることになったので、それまで待機。

 

「もりおと岩見はどこらへんだ??!」

 

と、確認すると、遠くの方でのんびりカヌーを漕ぐもりおと、必死で泳ぐ岩見。

 

携帯で知らせようと思ったけど、2人の携帯は預かっていたのでムリだ。

 

じいちゃんは震えていたので、パーカーと靴下を貸してあげた。

 

タオルも貸してあげようと思ったが、BUMP OF CHICKENのお気に入りのタオルだったので、迷ったあげく貸すのをやめた。ごめん。

これ。

救急車と警察官が到着

 

10分くらい経って、もりお達が警察より早く橋の近くについた。

ゆっくりと進んで来た2人がおれに、

 

もりお「いざわ〜、橋の上から写真撮って〜」

 

あの時ほどムカついたことはない。

 

状況を説明して、カヌーを陸から引き上げた。

 

ちょうどその時、警察の方から電話がきた。

 

「近くについたと思うんですが、橋の上まで来てくれませんか?」

 

と、言われたので「やべーー!カヌーで登校してたのバレたら、逮捕されるんじゃね?」

 

僕はすごい焦った。岩見も焦った。

なぜかもりおだけ、謎の落ち着き。肝っ玉がでかい。

 

僕が橋の上までいく。もりおと岩見は体を拭く。カヌーを畳む時間はなかったので、草むらの中に隠した。

 

救急車と警察のひとを現場まで案内。

 

じいちゃんは救急車で連れていかれた。

 

 

元気でな!!!

 

 

 

僕は第一発見者として、警察の人にいろいろ質問された。

それより気がかりだったのは、カヌーが見つからないかどうかということ。

警察官が4.5人いて、1人の警察官が川の近くまでいき、草むらの方に目を向ける。

 

「あ、バレた。」

 

そう思った。

が、まさかのスルー。助かった。

さよなら学生生活

 

15分くらいで質問が終わった。

 

警察官「連絡してくれて、ありがとね!」

 

僕「いえいえとんでもない」

 

警察官「ところであのカヌー、君たちの?

 

沈黙…

 

もりお「そうです。」

 

僕「……」言葉でなかった。

 

さよなら、僕の高校生活。

 

本当にバカヤロウだと思った。

 

警察官「そうか!学校の方には私たちが連絡しておくから。連絡ありがとう!」

 

 

あ、大丈夫だったんだ。

 

 

警察官が帰り、橋の下には僕たちだけになった。

 

僕はヒーローになった気分だった

 

なんたって尊い命をすくったんだから。

するともりおが、

 

「たぶんあのじいちゃん、自殺してねぇよ。」

 

「??」

 

「あの年齢のじいちゃんが、ふつうあの橋の真ん中から飛び降りたら死ぬでしょ。」

 

 

言われてみると、橋の高さもまあまあ高い。

 

警察官のじいちゃんに対する態度が冷たく見えたような気がした。

 

しかも、下半身はずぶ濡れだったけど、上半身はそこまで濡れてなかった気が……

もりお

酔っ払って転んだんだろ」 

「あのクソじじい!!!パーカー返せ!」

 

 

おわり。

 

次回、校長室で「命」についての詩を朗読

 

またね。

 

前回の記事:前代未聞の手段で学校に行ってみた

 

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